はりねずみの調理室

「創ることで学ぶ」研究者の、日々の調理blogです。

【コラム】一汁一菜

先日、お気に入りのブックカフェでこの本を読みました。

一汁一菜でよいという提案

一汁一菜でよいという提案

 

 

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沢山のレシピを生み出し、おそらく母世代に大きな影響を与えた料理研究家の一人、土井氏がたどり着いた境地が「一汁一菜があれば充分」というのは、非常に感慨深いとともに共感できます。お料理を作るのがたいへんと感じている人に読んで欲しいのです」という最初の1行がとても印象的な本です。

 

昨年からほぼ毎日自炊をしていく中で、汁物、特に味噌汁に興味を持ってきました。

急いでいても調理でき、飲む時間も僅かでも構いません。具だくさんの汁物だけでも飲んで行けば、午後の講義が終るまで空腹に悩むことはありません。味噌の塩分は疲れをとり、朝なら強く、夜なら控え目に、そのとき感じる塩加減でも、自分の体調を悟ることができます。

単純に、身体が温まり体調が整うという実感があったこと、ありあわせでなんでもできる上、組み合わせの妙で、楽しみにもなるということを感じていました。本書の中にもありますが、味噌汁って、前日の残り物を入れるくらいの気軽さ、ベーコンと菜の花とスクランブルエッグを入れるくらいの自由さがあり。

 

本書の中で、出て来る、ハレとケの椀も興味深かったです。この本、私の仕事にもつながる示唆がありました。ブックカフェで読んでしまいましたが、購入するかもしれません。

 

理研究家という仕事については、下記の書籍も大変面白いです。いわゆる洋食文化の移入からレストラン文化の展開と、「家庭料理のプロ」の誕生は、その先の「クックパッド文化」とリンクさせて考えてみるとさらに面白みを増します。

小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代 (新潮新書)

小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代 (新潮新書)

 

 

今日は、鶏挽肉とほうれん草の味噌汁です。

適当に昨夜買った鶏挽き肉を出汁の中でほぐし、ほうれん草をキッチンバサミで適当にカットして放り込み、煮立って味噌を入れてから、卵を落とし、少しだけ固まる頃火を止めました。

それでは、行ってきます。

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